「MUSCAT E.P.(カジヒデキ)」

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 Trattoria Records全制覇への道(レビュー記事のまとめ)

 

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収録曲 

  1. Siesta/君の♥のナチュラ
  2. Muscat/マスカット〜サマー・タイム・ライド
  3. Brother ~Steve Martin And The Amazing Dancing Monkey~/ブラザー〜スティーヴ・マーティンと踊る猿
  4. A Small, Good Thing/ささやかだけれど、役にたつこと

 

BRIDGE解散後、ソロアーティストとして始動した加地秀基(カジヒデキ)の一作目なのですが、この作品は客演が実に豪華です。

1、2曲目→yoshié(ドラム)、堀江博久(キーボード)、ASH(ギター)、3曲目→A.K.I(ラップ)、日暮愛葉(ボーカル)、松田岳二(タンバリン)、ASH(ギター)、4曲目→yoshié(ドラム)、小山田圭吾(ぺぺ)らが参加してます。これだけでも聴く価値有りですよね。

 

2曲目のMuscat/マスカット〜サマー・タイム・ライド」は広末涼子を起用したポケベルのCMソングとして有名ですね。

広末涼子もこのCM辺りを境にブレイクしたんですよね(確か)。エアマックス95を履いている辺りからしても一つの時代を象徴していますよね。商業路線とはやや距離を置いていた感のあるトラットリアレコードのミュージシャンがこのようなビッグなタイアップを獲得できた辺りからして、カジ君のソングライティング能力は破格のセンスと思われていたのでしょう。この作品がリリースされてから5ヶ月後にラ・ブーム〜 MY BOOM IS ME〜が発売されるんですよね。ここからしばらくのカジ君は飛ぶ鳥を落とす勢いの無双モードでした。総売上枚数だとトラットリアのアーティストで1、2を競うレベルだったんじゃないかな(corneliusとカジ君ではどっちの方が売れてたんだろう)

 

この作品のリード曲は「Siesta/君のハートのナチュラル」と「Muscat/マスカット〜サマー・タイム・ライド」なのでしょうけど、4曲目の「A Small, Good Thing/ささやかだけれど、役にたつこと」が収録されている事にこの作品の価値があると思います。

 

この曲のタイトルは レイモンドカーヴァーの小説から引用してるんですよね。(歌詞の中にもレイモンドカーヴァの事が出てきますね)小沢健二の「いちょう並木のセレナーデ」と並ぶ「平成を代表するベストオブ失恋ソング」と言える程の名曲だと思います。この曲も「いちょう並木のセレナーデ」も傷心の人を励ますような要素は無く、ただただ切ない描写で失恋を表現しているんですよね。おじさんおばさん、おじいさんおばあさんになった時に聴き返してみて「こんな時代もあったねぇ・・今頃あの人は何してるんだろうか」と感慨にふけるのも良いのかもしれないですね。

 

ちなみにChocolatがこの曲をカバーしてるんですよね。カジ君バージョンの方が良い出来なんですけどYouTubeに音源上がってません。気が向いたらアップしようかしら。

 

おすすめ指数

★★★★